いけばな古流協会展2025を拝見してきました|古典華の美と自由花の迫力をレポート【東京・日暮里】
- いけばな教室 おおら花
- 11月19日
- 読了時間: 6分

生け花・華道展レポート/東京・日暮里サニーホール
東京や全国で開かれる生け花展・華道展は、華道家が日々の修練の成果を披露する特別な場です。
また、作品を前に立つと、花材や植物の持つエネルギーと作者の力をそのまま感じることができます。
私自身、龍生派の生け花作家として花展に多数出品し、また鑑賞も続けてきました。
これから華道を習い事として始めてみたい方、生け花教室に通っている初心者の方に向けて、
現場で感じた視点でレポートをお届けしていこうと思います。
今回は、「いけばな古流協会展2025」を拝見してきました。

いけばな古流とは?
古流(こりゅう)は、江戸初期から伝統を継ぐ、日本最古級の華道流派です。
複数に分家していき、長い歴史の中、現在まで古流と銘打つ生け花の流派は、数多く存在しています。 自然尊重の美学も重んじ、植物そのものの出生、ひとつひとつ異なった枝などの線、姿、生命力を最大限に活かすことを特徴とします。
特に生花(しょうか)は、
真(天)
流(人)
受(地)
の三才を象徴する構成法が基礎となり、自然に見る美を一作の中に凝縮する様式。
現代でも多くの師範・華道家が在籍し、伝統を守りながら自由花や現代的な造形も積極的に発表している流派となっています。
※説明は流派の公表情報を元に要約してみました。その他詳細は各流派文献をご参照ください。

いけばな古流協会展2025
日程:前期 2025/10/3(金)~4(土) / 後期 5(日)~6(月)
会場: 日暮里サニーホール アートホテル(東京・日暮里)
この古流展は古流協会に所属する、それぞれの流派の名だたる作家たちが出品する、生け花展となっています。
(以下参加流派)
古流かたばみ会、古流華耀会、古流松應会、
古流松盛会、古流松線会、古流松藤会、
古流松濤会、古流松鳳会、古流松麗会、古流大觀流 松禹会
今年も勉強のため、前期日程に伺いました。
後期も見たかったのですが、今回は時間の関係で前期のみの鑑賞です。
実は、私の龍生派として長年通っているお稽古場がこの日暮里にあり、
稽古の前に“気合を入れる”意味で花展を観るというのが、自分の中の小さなルーティンと楽しみになっています。

会場は「東京日暮里サニーホール」
▶ 天井の高さが生け花展示に合う
いけばな古流協会展2025が行われた会場は、龍生派東京6地区花展でも使われる 日暮里サニーホール アートホテル。
このホールの魅力は、何より天井の高さ。(画像は龍生展でのイメージ)
生け花は、
作品が天に昇っていくかのように見える
空気が通る良い空間が取れているかが非常に重要です。
古典華も自由花も、上方向にエネルギーが立ち上がることで、より良く見えていきます。
この会場はその構造が非常にマッチしており、私も過去に3度ここで出品していますが、
毎回作品が生き生きと伸びていく感覚があるかを強く意識します。

生花の圧倒的な完成度
古流の古典華は、とにかく“格式と緊張感のある美しさ”が際立っています。
生花は、
メインとなる枝(真)
補う枝(流・受)
水際、足の角度の取り方
前後左右の枝の開き
花材の特徴など、流派ごとに決まり事(理論体系)が精密に存在します。
龍生派の生花を学んでいる私から見ると、
古流の古典華作品からはより一層の植物を扱う作者の手が感じられる印象があります。

▶ 花材の活かし方
この日も、季節の花材——伊吹、アスター、シュロ、ラカンマキ、葉蘭、
高野槙、枇杷の木、キュウイ蔓、ツルウメモドキ、パンパス、流木などが見事に使われていました。
秋の花展らしい深みのある緑と
残暑残る10月でも、鮮やかな赤く色のついた花材と、素材の生命力を引き出す技術に、ただただ感嘆。
特に槇(まき)の扱いは、私自身もちょうど稽古で向き合った花材だったので、
各先生の枝の使い方は本当に参考になりました。
▶ 生花の決まりの中に宿る、静かな熱
古典華は制約も多く、一見“静かで動かない”ように思われがちですが、
実際はその内に強烈なエネルギーが込められていると思います。
線の緊張感、枝の伸び、足元の締まり。
それらが結びつき、空間そのものがピンと張るような美しさが生まれていきます。
今回も、一作一作に「鍛錬の積み重ね」がそのまま立ち上がっていました。

家元クラスの圧倒的自由花
古典華の厳格さとは対照的に、家元クラスの自由花は毎回大きな魅力です。
伝統の理を踏まえた上で、まるで型から殻を破るように植物が解き放たれている作品が展示されていました。
花材も大胆で、キュウイの蔓、こくわ蔓、大木、色の強い鶏頭、非植物などが、空間いっぱいに“立ち上がる”ように配置。
家元の先生方の作品は、戦後の生け花界で見られたような、
「空間そのものが揺れる」ようなエネルギーを感じるものがあり、写真では絶対に伝わらない迫力があります。

▶ ライティングと空間が作品の凄みをさらに引き出す
天井の高い会場に、上から降りてくる照明。
光と影のコントラストが、枝の線や花材の質感を浮かび上がらせ、自由花の立体感が最大化されていました。
古流生花の“角度の違い”を学ぶ
私が花展を観る理由のひとつは、「各流派の生花の角度の違いを学ぶため」です。
同じ“天・人・地”の構成でも、枝の反らせ方や角度の取り方、足元の締め方に独自の美意識があることがわかります。
その違いを目で学ぶことは、日常のお稽古では得られない大切な経験です。
まとめ:花展全体から感じたこと
古流協会の花展は毎回、「伝統の濃縮された熱気から自由に放たれるエネルギー」が独特だと毎回思わされます。
古典華が持つ緊張感
家元クラス自由花の圧倒的エネルギー
季節の花材
高い天井へ向かう植物の線
私は今回も作品を前に立つたび、
ああまだまだ修行と鍛錬が必要だと、背筋を伸ばしてもらった感覚を覚えました。
私は龍生派の華道家として、東京・日暮里で長く稽古を続けていますが、
他流派の花展を観ることは、表現の幅を広げるために欠かせません。
東京で生け花を学びたい方へ(初心者歓迎)
私が主宰する いけばな教室「おおら花」(東京・日本橋) では、
龍生派のカリキュラムを基礎から丁寧に学べるレッスンを行っています。
初心者の体験レッスン
生花(古典華)と自由花の両方が学べる
花材は季節の植物を使用
手ぶらで参加OK
海外の方も参加可能(英語対応)
直接花展を見てでも、写真で見てでも
「いけばなに興味を持った」という方は、ぜひ生け花を実際に体験してみてください。
植物と向き合う静かな時間を、ぜひご一緒できれば嬉しいです。
レッスン詳細・ご予約はこちら:https://www.or-aqua.com




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